福祉業の議事録作成を75%削減したDX事例|現場に合う運用設計とは?

福祉サービス業では、利用者支援そのものに加えて、法令に沿った記録作成が日常業務の大きな比重を占めます。特に会議後の議事録作成は、現場の負担を増やしやすい業務です。

今回ご紹介するのは、就労継続支援B型を運営する匿名企業A社の事例です。高機能な仕組みを先に押し込むのではなく、現場に合う運用を優先したことで、議事録作成の工数を大幅に削減しました。

この記事の要点

  1. 課題は「記録業務の量」だけでなく、「資格者への業務集中」と「情報管理への不安」にありました。
  2. 解決策は「録音ペン → Whisper → GPT(Azure OpenAI)」の3段構成です。
  3. 議事録作成時間は、平均60分から15分へ短縮し、約75%削減しました。

現状 → 課題 → 提案 → 効果

現状

A社(20名、非常勤含む)では、法令対応の記録業務が多く、会議は1〜2時間/回を週3〜5回実施していました。会議後には議事録作成に追加で1〜4時間を要する場面があり、紙・手書き中心の運用による転記負担が発生していました。

課題

  • 義務化された記録作成の量が多い
  • 一部書類は資格者のみ作成可能で、担当者に業務が集中しやすい
  • 利用者情報を扱うため、デジタル化時のセキュリティ不安が強い

加えて、現場では対面支援を重視する運用が基本であり、PC操作への負担感もあるため、単純なシステム導入だけでは定着が難しい状態でした。

提案

  1. 録音機能付きペンで会議音声を録音
  2. ローカルPCのWhisperで音声を文字起こし
  3. GPT(Azure OpenAI)で要約し、記録形式に整形

ポイントは、現場に馴染みのある道具を入口にしながら、AIを後段で活用したことです。全自動化を急がず、運用し続けられる設計を優先しました。

効果

議事録作成時間:平均60分 → 15分(約75%削減)

また、ベテラン職員の自発利用や「AIは無理」という認識の変化も見られ、今後は日報や業務記録への活用拡張が検討されています。

導入前の課題

  • 法令対応記録(複数帳票)の作成負担が大きい
  • 会議後の議事録作成が長時間化している
  • 紙・手書き中心で転記作業が発生する
  • 様式・要件チェックに時間を要する
  • 資格者に作成業務が集中しやすい
  • 個人情報を扱うため、デジタル化に慎重になりやすい

実施内容(3ステップ)

Step1:録音
会議を録音ペンで記録し、現場の運用負担を抑えます。

Step2:文字起こし
音声データをローカルPC上のWhisperでテキスト化します。

Step3:整形・要約
GPT(Azure OpenAI)で議事録形式に整えます。

導入効果

  • 議事録作成時間:平均60分 → 15分
  • 作業時間削減率:約75%

成功要因(3つ)

  1. 高機能性よりも「現場に合う道具」を優先したこと
  2. 対面業務の流れを崩さない運用設計にしたこと
  3. セキュリティに配慮した環境(Azure)で不安を下げたこと

まずは現状整理からご相談ください

記録業務の負担や現場定着への不安に合わせて、無理のない進め方を具体化いたします。

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※本記事は、事例企業の特定を避けるため、社名・固有情報を匿名化して掲載しています。

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